前回の記事でFA35mm F2 ALを買ったことをちょっと後悔しているふうのことを書いたが、あれから一日鎌倉に行って、メインのレンズとして使ってみた。そして・・・ここで前言を完全に撤回させていただく。FA35は素晴らしいレンズだ(笑) ・・・・(笑)じゃないか。買ってちょっと後悔が一転、思いつきとはいえ、よくぞこのレンズを買った、と自分を誉めてあげたくなった。
まず告白しなければならないが、最初うちの近所(日野郷土資料館)に撮影に持ち出したとき、なぜあまりいい印象を持たなかったか。それはあまりに解像の甘い写真を量産して帰ってきたから・・・、と最初は思っていたのだが、鎌倉についてしばらくしてから気づいたのだが、K100D Superの手振れ補正のスイッチがなぜかオフになっていた・・・。しかしながら、日野では私は当然オンになっているものと思い込み、手振れ補正をあてにしまっくて、平気で1/6秒とか、1/10秒のシャッタースピードを多用していた。これでは手振れ写真を量産するのも無理からぬ話。つまり自分のミスをレンズのせいにしてたって訳。また日野では室内ショットが多くて、やっぱりそれだけだとレンズの良し悪しを判断するには材料が少なすぎた。
さて、いざ鎌倉、の話。そんな訳で、これが隠れスターレンズかぁ?という一抹の不安を持ちつつも、レンズの性能を徹底的に検証するためFA35とお気に入りのアポランター90mm、そして押さえにDA21mm Limitedを持っていった。アポラ ンターはセミマクロ的なレンズでありながらも、遠景を撮っても素晴らしいレンズ。凛とした空気感を捕らえることが出来るレンズで、私の一番のお気に入り。ところが・・・驚いたことにFA35もアポランターとほぼ同様の描写をしていた。標準域でこの描写が得られるとはちょっと感動。なんというか、一枚薄皮を剥いで、より現実の迫ったような感じなんだよねぇ。スターレンズというのを使ったことがないのでなんともいえないが、評価されている理由がやっと分かった。アポランターもそうだが、値段は安めなので非常にコストパフォーマンスは高い。正直、一気にFA50や既にディスコンになっているがFA28の写りがどのようなものか気になってきてしまった。
さて比較的似た画角のDA40との棲み分けをどうするか、という問題もあるが、FA35とDA40では描写の方向性が違う。FA35は素直な描写ながら、先ほども書いたがその場の空気を感じられるようなクリアなレンズ。一方、DA40は非常にカリッとした描写で、等倍での描写性能が求められるシビアなデジタル環境でも、きっちり解像している。これはこれでフィルムでは決して得られない絵で見ていて気持ちいい。
そんな訳で、気分でどちらのレンズを持ち出してもきっと満足が得られると思う。
さて、ちょっと話は変わるが、押さえで持っていったDA21であるが、引きの絵で1枚押さえておきたいときに少しだけ使ったのだが、これがMacの画面で見ていて、思わず椅子からずり落ちそうになるほど、どこにもピントがあってないというか、全く解像していない。これは明らかにうちの標準ズームDA18-55 II に劣る画質。前から自分の中でDA21の描写はあんまりた いしたことない、と思っていたのだが、これはレンズの実力うんぬんというより完全な異常のように思えたので、後日、新宿のペンタックスフォーラムに行って、検査してもらった。
結果、解像不良ということで保証期間内だったので無料修理になることに。レンズとレンズの間に多少ズレが見られるとか、確かそんな説明だったような気がするが、まあ逆に原因がはっきりして良かった。もし、こんなもんですよ、と言われ、そのまま返されたら、そのままマップカメラに行って売ってくるつもりでいたが、いつから不良だったのかよく分からないが、これでようやくDA21の真の実力を試せる。ある意味新しいレンズを買ったような楽しみがある。
ま、そんなこんなでFA35はやはり評判通りのいいレンズだった。DA40にはしばらくお休みしてもらってしばらくはこのFA35を使い倒したいと思う。
2008/11/05 追記:ちょっとは作例でも載せておこうか。購入を検討されてる方の参考になるかどうかは分からないが・・・。