一眼レフの時代は終わったのか? 今になってミラーレス一眼に主力がシフトする理由(ITmedia NEWS) – Yahoo!ニュース
デジタル一眼レフからミラーレスへ
00年代だったと思うが、当時乗ってたスクーターの情報を得ようと個人サイトなどを見ていたら、びっくりするぐらい写真が綺麗なサイトがあった。なんでこんなに写真綺麗なんだ?と思って、その人のサイトの別のページを見たら、その方は別に写真の趣味を持っておられ、当時のデジタル一眼のカメラ、レンズの論評などもされていた。
まだiPhoneが世に出ていない時代。
コンパクトカメラもまだまだ売れていた頃だったが、APS-Cサイズの撮像素子を持ったデジタル一眼レフで撮られた画像の諧調の豊かさは、他のデジタル写真機とは完全に一線を画しており、そこから私が自分でもデジタル一眼レフを手にするのも、そう時間は掛からなかった。
それから、撮像素子の画素数がどんどん増え、満を持してフルサイズの撮像素子の登場。デジイチの市場もどんどん大きくなり、一つの大きな市場が出来た。
しかし、コニカミノルタのカメラ事業を継承したソニーが参入してから、様子が変わってきた。ソニーは一貫してミラーレス推し。老舗のキヤノンもニコンも、それでも上記リンク記事で指摘されていたようなミラーレスならではの弱点をよく分かっていたため、ミラーレス化に舵を切る判断が遅れ、結果、デジタルカメラ部門では後発であるソニーに大きくシェアを奪われる事態となった。まさに教科書に出てくるような「イノベーションのジレンマ」案件である。
確かに、初期のミラーレスはカメラとしての基本性能が劣っていた。見づらくタイムラグもあるEVF、遅いAF、電子シャッターならではローリングシャッター現象。つまりファインダーは見づらく、オートフォーカスも遅く、おまけに動体を撮影したら像が歪んでしまうという、およそプロが使える道具ではなかった。
ただ上記の欠点のいずれも、技術革新によっていつかは克服可能な課題であることは明白であったし、欠点を克服すれば逆に、場所を取り構造も複雑なミラー、シャッター機能は省くことが出来、スペースの制約が少なくなり、レンズの設計も自由度が増すという一眼レフ構造では決して真似が出来ないメリットがあった。
つまり、いつかはミラーレスがデジタル一眼レフを追い抜かす運命だったのである。
むしろ、今にして思えばデジタル一眼レフの構造自体が、アナログなフィルムカメラとデジタルのハイブリッドで、アナログから完全なデジタルに生まれ変わるまでの繋ぎのような、いわばキメラのようなモノであった気がする。