久々に小説を読んだ。今日はその感想。ネタバレありだけど、このブログ見てる人も少ないし、別にいいよね(笑)
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読んだのはタイトル通り、松本清張の「ゼロの焦点」。展開にスローな部分がなくて、なかなか面白かった。最後の犯人は・・・まあ、予想外だよね。ただ、僕も主人公の禎子がテレビ番組から犯人の目星がついたのと同じ時点で犯人が分かった。だからなんだと、言われれば返答に窮するんだけど。
最後まで禎子の旦那、憲一が遺書を書いた理由と、憲一の同僚の本多が殺された経緯が合点がいかなかったのだが、憲一の遺書は、最後の推理ですんなり飲み込めた。しかしながら、本多の殺され方は余り納得がいかない。憲一の兄、宗一郎が青酸カリ入りのウィスキーを飲んで殺されたのに、人に勧められたウィスキーをそんなにホイホイ飲むかな、と思って。本多はどちらかと言えば、用心深そうな人物に思えたので、そこだけがどうにも引っかかる。
ラストシーンは、二流のサスペンスとは異なる叙情にあふれるもの。犯人ながら同情を禁じえないものがあった。
ま、そんな感じかな。誰かが松本清張はドストエフスキーを超える、とか何とか言ってたらしいけど、「ゼロの焦点」に関しては、そこまで深い感じはしなかった。もう2、3冊借りて・・・それほどハマらなかったら、別の古典を読もうか、と思っている。