たまには本の話でもしよう。
最近、私にしては珍しく本を読んでいる。備忘録代わりに読んだ本の紹介でもしていこうか。
カミュ「ペスト」
コロナウイルスが流行ってからまた読まれだした本。私も流行に乗って読んでみた。
群集心理の描写が巧み。コロナの発生から終息まで、おそらくこの小説通りの群集心理が働くのではないかと思った。もっともペストは封鎖された都市での話だが。
カミュは無神論者ということだが、ペストという異常事態下において、神の存在とか、それぞれの行動の悪意、善意と信心についてなどが丁寧に書かれていて面白かった。無神論者による宗教の検証というのが興味深い。
ヴィクトール・フランクル「夜と霧」
ユダヤ人の精神科医、フランクルがナチスによって強制収容所に収監された時の克明な記録。
善悪、私情をなるべく排したドキュメンタリー・タッチの記述が逆に恐ろしさを際立させる。精神科医ならではの観察が素晴らしく、極限における人間の行動がよく分かる。
まあ名著には違いないが、再読したいか?と問われれば・・・それほど結構読み進めるがつらい。
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