競馬場の哀しきハイエナ達。

私の会社の同僚が、昨日、朝から東京競馬場にいて、トータル5万円ぐらい擦ったらしい。かく言う私もメインレースの「ヴィクトリアマイル」で3000円擦ったのだが・・・。

さて、そんな第一レースから競馬場でレースを見てしまう私の会社の同僚が、朝一番に競馬場で目にするもの。それが彼のいうところの「ハイエナ」だ。


「ハイエナ」とは、朝一番、まだ払い戻しが行われないころに、機械の払い戻し機の前に分厚いハズレ馬券の束を持って並んでいるオジサン、お爺さん達のことを指す。彼らは何をしているかというと、競馬場で馬券を買った人々が、夢敗れ、その辺に捨てていった馬券をひたすら拾い集め、それを払い戻し機にかける。その中に万が一間違って捨てられた当たり馬券があれば、それが彼らの収入になる、という作業をしている。それが彼らの仕事だ。・・・ん?仕事?(笑)

で、私の同僚は前々からそんな人達がいることを承知していたのだが、実際に彼らが当たり馬券に出くわすのかどうか見てみよう、ということで、払い戻し機の前で少し観察していたそうだ。早速、分厚いハズレ馬券とおぼしき束を手にしたお爺さんが一人、もくもくと馬券を機械にかけ始める。すると、10枚もかけないうちに液晶に「3600円」の文字が! 900円のバイトだったら、4時間分の賃金である。そのお爺さんがハズレ馬券を集めるのにどれだけ時間を要したかは知らないが、少なくともアルミ缶を拾って集めるよりはよっぽど効率的なはずだ。同僚は、その「仕事」は大体1日1万円ぐらいにはなる、という話をどこかで聞いた、と言っていた。

競馬場の入場料は200円。それ以上の当たり馬券を拾えば、そこから損益はプラスとなる。まさにローリスク・ハイリターン。いやノーリスク・ハイリターンと言っても過言ではない。

しかし、ちょっと待て、と私は思った。競馬場でハズレ馬券を拾う行為に抵抗がなくなったら、駅のごみ箱から新聞や雑誌を取り出すことにも、全く抵抗がなくなってしまうのではないか、と。

『人生の敗北者』。

そのワードが頭をよぎった。1枚のハズレ馬券を拾うこと。そこにはおそらく真っ当に暮らしていこうとする人間が決して越えてはならない一線がある気がする。そういう意味では、そこには金銭とは全く異なる次元の、別の最大なるリスクが常に付きまとうのである。

ただし・・・、万馬券、場合によっては100万馬券なんてものある。100円分買えば、100万円戻ってくる馬券だ。そしてそれは、通常であれば全く上位に来る事が考えられない馬がこぞって上位に入線している様なレースの馬券である。たくさんの点数を買っていて、こんなもの絶対当たってるはずが無い、と思って捨ててしまう人がいてもさほどおかしくはない。現に同僚は酒を飲みながら観戦し、現場の府中にいながら、新潟、京都の馬券も買っていて、最終的には酔いが回って、自分の買った馬券がどの会場の馬券が分からなくなるほど泥酔していたりする(笑) お酒を片手に競馬観戦する人も多いので、その手のミスの可能性は更に高まるに違いない。

また外れちまった! そんなときに目に留まった誰かが捨てたであろうハズレ馬券。さて、あなたはそれを拾いますか?

P.S.海外にはこんなお話も・・・。
らばQ:外れ馬券を拾い集めて年収400万円、10年で4400万円を稼いでいる男性

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