民主主義の終焉。

前々からちょっと思っていたのだが、ここで少し民主主義について考えてみる。と、いっても所詮、素人なので、あくまで生活者の視点から、というか、一般人の実感として考察してみたい。

最近は不景気である。僕の周りの人間でも、その人の勤めてる会社が明らかに右肩下がりになっているところがあって、これまでは不景気、不景気と言っても、どこか他人事のような気がしていたが、身の回りの品の値上げも伴って、この頃は私レベルでも実感するようになってきた。

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現況はアメリカのサブプライムローン問題もあるのだろうが、やはり、原油、とうもろこしなどの原料高が原因となっているのであろう。で、その原油であるが、今回の原油高はOPEC主導ではなく、景気の落ち込みで、魅力的な投機先を失ったファンドが、原油にその資金を投入し、結果、原油高を誘発しているそうである。そして、投資ファンドは儲かり、原油高のしわ寄せは一般の生活者に来る。

どこかおかしくないだろうか? いくら日々研究してるとはいえ、基本的には右から左へお金を動かしているだけの連中がお金を儲けて、実際に労働力を提供し、物を作ったりしている人たちが、代わりに損をしているというのは。

ファンドというのは必要な存在だと思う。革新的な技術を持ちながら、資金がなくてそれ以上先に進めないでいる技術者達をファンドが資金面からサポートし、それが大きく育てば、新たな雇用を生み出す一大産業になることもある。しかしながら、現在あるファンドのほとんどは、革新的技術や産業を育てる気はさらさらなく、短期間で利益を生み出すべく、右から左へお金を動かしているだけだ。しかしながら、その影響力は大きく、資金を引き上げられた側は、大打撃を受け、一方、資金を得た側は大した努力もなく、バブル状態になる。

しかしながら、経済を支えているのは、第一次産業である農業を始め、実際に物を作っている人たちである。この人たちが短期的な利益を狙ったファンドに経営を左右されるようでは、物づくりの産業の足腰が弱ってしまう。そして、これらの産業が本当にダメになってしまった時、市民の生活自体が成り立たなくなる。

そんな訳で、そろそろ行過ぎた市場経済民主主義を修正しなければならないのではないか、と思う。そこにはどうしても、行政の介入が必要になる。社会主義というのは、ソ連の失敗を例に挙げるまでもなく、非生産性、そして独裁を生む俎上として毛嫌いされてきたが、全ての国民が最低限の生活を保障されるということを考えると、社会主義的な考えは外せないと思う。

市場に任せきりにすると、産業革命時のような、資本家と労働者のような格差を生む。行政に任せきりにすると、権力による腐敗の構造が進む。そこで、現在の市場民主主義と社会主義を互いにけん制させあうような新たなシステムが必要になると思う。もしかしたら、司法のような、市場の行き過ぎ、行政の行き過ぎを監視し、律するようなシステムも必要かもしれない。

・・・とまあ、ぜんぜん具体的な案ではないけれど、いずれにしても市場に任せすぎた現在の民主主義はほぼ終焉というか破綻を迎えているように思う。小手先の景気対策などではなく、もっと根本的に制度的に修正していかなければならない、と思っている政治家、実業家は一体どれくらいいるのだろうか?

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