アルト・ワークス 試乗記


大型連休中、どうやらたった1回の短い外出となりそうなのが、このアルト・ワークスのレンタカー試乗体験。それにしてもMT車に乗るのはかなり久々。果たしてうまく運転出来るのか、否か・・・。

ヒョヒョヒョ・・・
・・・と思わず、奇声を発してしまうほど楽しい(笑) お店を出るときはクラッチミートのポイントも分からず、またアクセルもどれぐらい吹けるのか分からないので、思わず多めにアクセルを開けてしまい、警告音みたいなものを鳴らしてしまった。お店の人も、おいおいクラッチの寿命が短くなんだろ、と舌打ちしたに違いない・・・が、それはさておき、お店から出てちょっと加速するだけでもう楽しい。

1速、2速、3速・・・とショートストロークのシフトがカチカチと決まる。またクロスレシオで、シフトアップ時にアルト・ワークスの一番おいしいエンジン回転域である3000〜5000回転のバンドをほとんど外さずに加速出来る。このストップからの一連のシフト操作だけで、ああ楽しいなぁ、気持ちいいなぁ、と実感すること請け合い。

走行性能、乗り心地
正直、そんなに高速でコーナーを攻めたりしなかったので、大したことは言えないが、しかし今のクルマは軽と言えども、コーナー加速時にボディがミシッなんていって、ひしゃげることは全くないんだなぁ。最近、軽のスーパーハイトワゴンなんかを見慣れているせいか、アルトは相当背が低い、なんて思い込んでいたが、乗ってみると結構ヘッドクリアランスもあり、決して低重心のクルマではない。だけどもボディのねじれ感、ふにゃふにゃ感は全くない。以前、ホンダのN-BOXを乗ったときは、コーナー時、柔らかいサスのセッティングも相まってか、全体的にふにゃっとした印象があり、ああ、これってドライブを楽しむタイプのクルマではないのだな、と感じたが、アルト・ワークスにはそんな要素はみじんもない。

エンジン
軽だからしょうがない、という残念な印象とはほど遠いエンジン。むしろ、一般道での取り回しを考えれば、本当に丁度良く速い。2速と言えどもこんなに回転数を上げてしまってはあっという間に制限速度オーバーだ、と思ってスピードメーターをみるとそうでもない(笑) でもそれだからいい。一般的な乗り方で、十分加速し、速度も出すぎない。おまけに税金、高速道路料金も安い。またレギュラーガソリン対応とあって、まあ本当によいエンジンだと思う。

サスペンション
まあ硬いは硬い。だけども本当に強い入力に対してはちゃんと角を取るようなしなやかさも感じられて、硬いは硬いが疲労を生むほどでもない、と感じた。印象的にはクルマのキャラクターの印象から来るものかもしれないが、マツダのデミオの方がよっぽどサスが硬くてびっくりした印象がある。

シート
レカロシートのクルマを運転するのは初めてかな? 結構疲れるんじゃないだろうか?という先入観があったが、これはむしろ逆だった。全然疲れない。私は体重80キロを超えてるので(汗)、両脇の締め付けが若干きつくはあったが、それでもずっと乗ってて痛くなるほどではない。ホールド性に全性能を振り切っている極端な椅子かと思っていたが、ちゃんと快適性も備えていた。ただ・・・運転席にいたまま、リアシートにあるものを取るのはシートの形状的に無理そうだ(笑)

エクステリア・インテリア
ノーマル・グレードのアルトは商用車感が非常に強く、また昭和に回帰したようなデザインでかなり癖が強いが、アルト・ワークスのデザインはもちろんベースのアルトとほぼ一緒とは言え、やんちゃそうな顔つきがアルト・ワークスのキャラクターと合っていてかなり格好良く感じる。外見がソフトなスポーツカーをよく”羊の皮を被った狼”などと形容するが、このクルマはもう見たまんま速そう、という感じで個人的には好印象を持った。

インテリアは・・・近年まれに見るほどの簡素さ(笑) まあ、そこに贅沢さを求めるクルマではないにせよ、割り切りすぎだろう、とも思う。

不満点
全部『敢えて言えば』ということだけど、参考までに。

ドア!
薄い!(笑) 昔のスターレットみたいに閉めたらぴしゃん!という軽々しい音がする。そしてドアの内側のサイドポケットも、ここに何を入れるねん!と突っ込みたくなるほどの薄さ。横から衝突されないことを祈るしかない。

内装全般
ベースグレードのクルマかな?と思うほど、しょぼい。しょぼい点を一個一個挙げていったらキリがないぐらいしょぼい。安いなりにもデザインや便利さでカバーしよう、という気持ちも感じられない。ある意味スズキイズムを感じる(笑)

インパネ
なんか・・・タコメーターとスピードメーターとオドメーターしかなくね?と思った。スポーツカーにしてはちょっとあっさりしすぎなインパネ。せめて水温計ぐらいは警告灯だけではなく、ちゃんとメーターで見たい。

高速が若干怖い。
100キロぐらいに差し掛かったとき、前輪がちょっと浮いているかのようにハンドルが軽くなるポイントがあって安心感に欠ける。エンジン的には5速4000回転ぐらいながら割と静かで、まだまだ踏めば加速出来る回転域ではあるのだが。

S660と比べて
値段帯はちょっと違うけど、ホンダS660と比べる人もいると思う。走りだけで言えば、やはりS660が相当優位。4輪ディスクブレーキによるブレーキの素晴らしい利き。地面に吸い付く走行感覚。ミッドシップによるハンドリングの素晴らしさ。ムラのないエンジン。だけどもS660は正直一人乗りのクルマだと思う。何しろ収納スペース、ゼロ。ほんとのゼロ。助手席は一人用の荷物置き場でしかない。かみさんと乗った時はかみさんの足下に私の荷物、かみさんのひざの上にかみさんの荷物、といった具合であった。

そこへいけば、アルト・ワークスは、大人がちゃんと4人乗れる。(その場合貨物スペースが相当狭くなるが、それでもないわけではない。) また、着座位置も普通の乗用車と変わらず、腰を屈めながら乗り降りする必要もない。家族が二度と乗らない!と憤慨するほどのがちがちな足の硬さでもなく、ファーストカーとして、ちゃんと購入の候補に入るクルマであると思う。それでいながら、このクルマは”スポーティーカー”ではなく、ちゃんとした”スポーツカー”だ。200万を超えず、最低限の実用性は備えていて、スポーツカー。こうやって条件を絞るとアルト・ワークス以外にない。それぐらい貴重なクルマだと思う。

総評
カチッとしたボディに、よく吹けるエンジン、軽快なMTシフト。それでいながら、常に戦闘態勢で挑む必要もない懐の広さもある。この実用性とスポーツカーとしての性能との高い次元でのバランスは本当に素晴らしいと思う。欲しい! 色んなクルマ乗る度に欲しいと思うのは毎度のことだが、これは本当にいいクルマだし欲しい!(笑)

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