映画三昧。

最近、週末にDVDを借りて映画を観る習慣がついている。

先週末は、ポール・トーマス・アンダーソン監督の「ブギーナイツ」を観た。同監督の「マグノリア」は好きな作品で、「ブギーナイツ」は、その前に監督された作品であるとのことだったので、いつかは観ようと思っていたのだ。

で、その感想は・・・。

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正直、まあまあ、という感じ。「マグノリア」を観ていなかったら、おそらく面白い、と感じたであろう。ただ、ある人間の栄光と挫折の表現の仕方が大体「マグノリア」と同じで、しかも人間の内面の機微の表現の仕方が「マグノリア」の方がより洗練されているように思えたので、どうしてもこんな感想になってしまう。エンディングは、「マグノリア」より納得できるというか、ある意味無難な感じだったけど・・・。

その前は、めずらしく最近の話題作(といっても一昨年の作品だけど・・・)「ディパーテッド」を観た。流石は現代の名匠、スコセッシ監督、作りとしては、テレビドラマの「24」のような、観客に考える暇も与えないぐらい、次から次へと緊迫したシーンの連続なのだが、それでいて、各キャラクターにもある一定の人間味を与えることに成功している。まあ、それでも・・・厳しい見方かもしれないけど、娯楽作品+αぐらいの出来ではなかろうか。おそらくスコセッシがスピード感のある娯楽作品を作りたくなって、その意図どおりの作品を作ったのだと思うが、あくまで楽しむ為の映画で、深く人生について考えさせられる、とかそういった映画ではない。もちろん、そんな映画も充分ありだけどね。

で・・・あれも観たんだった。「イージー・ライダー」。これ観るの2度目なんだけど、やっぱり名作だ。行き当たりばったりのロードムービーなんだけど、ひとつひとつのシーンに60年代末のアメリカの希望と社会的病理を感じさせる。途中から出てくるジャック・ニコルソン演じるアル中の弁護士が吐くセリフがいちいち秀逸で、まさに当時の一般的なアメリカ人の心理を言い当ててると思う。アルコールで身を滅ぼしながらも、冷静に社会を見つめた弁護士と、60年代のヒッピー的な理想を持った2人のライダーが抹殺される、というストーリーは、まさに60〜70年代、ケネディ暗殺、そしてベトナム戦争へと、アメリカが希望を葬り去った歴史と重なる。つくづくいい映画だと思う。

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