【しがない映画評・その3】 市民ケーン

 
監督について
オーソン・ウェルズはこの映画しか評判を聞いたことがない・・・。ただ、25歳にして監督・製作・脚本・主演と全てをこなしたエネルギーは凄い。後は英語教材「イングリッシュ・アドベンチャー」のイメージ(笑) まあ、これも古い話だが・・・。
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芸術と時間。

マイミクさんが「携帯電話でもこれだけ高性能の動画撮影機能が付いていれば、そのうち静止画の必要性がなくなるんじゃないだろうか。」という主旨のmixiの日記に残していて、それについて、コメントを残しておいたのだが、そこで多少考えることがあったので、ここで再び論を展開してみようと思う。

結論を言えば、やはり、静止画(写真)と動画は全く別物である、と考えざるを得ない。でも、これは感覚的に多くの人が思ってることなんじゃないかと思うけど。

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「アウトレイジ」ーリアル・エンタテインメントー 【映画評】

北野武監督の「アウトレイジ」を観てきた。

第一印象は、良く出来たエンタテインメント作品。これまでの多くの北野作品の様な行間を読むような作品ではない。ああ、観たなぁ。で、終わり。そういう意味では「座頭市」の系譜なのかもしれない。

しかししかし・・・それはあり得ないだろ!というシーンが多々あるのだが、それでも全体を振り返れば、ああ、実際にこうなんだろうな、と思わせる、かなりリアルな印象のエンタテインメント作品である。リアルとエンタテインメント。通常、両立しえないこの2つを観客に同時に印象づけるというところに監督、北野武の力量を感じた。

さて、自分で自分を俯瞰するようなメタ系の作品が続いた北野監督が、どうして今回、こういったエンタテイメント作品に真正面から挑んだのか・・・。それについて少しだけ触れてから、「アウトレイジ」について語りたい。

あ、思いっきりネタバレあり、なのでヨロシク。

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「アバター観たけど、ストーリーが陳腐で面白くなかった。」

今日、遅まきながら、アバターを観てきた。とにかく衝撃的な映画だった。だが、一緒に観に行った彼女にその凄さを説明しようとしても、ストーリーは古典的、王道的なものだけど映像は凄かった、としか言えなかった。決してそういうレベルの映画だと思った訳ではない。だが、この映画の凄さをどうしても言葉で説明出来なくて、それがもどかしかった。

え? 表題と書いてること違うじゃないかって? まあ、それについては後で説明するとして・・・。

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「監督・ばんざい!」観た。

今、遅い夏休み中で、まあ色んなことしたんだけど、まず、これについて語っておきたい。

これから北野武監督の「アキレスと亀」を観に行く予定なのだが、前作の「監督・ばんざい!」を観てなかったので、まずここから観ることにした。

その内容と感想であるが・・・

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バリー・リンドン。

先週末は、キューブリックの「バリー・リンドン」を観た。どういうんだろうね、非常に感想を述べるのが難しい映画だ。「2001年」のようにそれまでの映画の概念を変えてしまうような映画でもないし、「時計仕掛け」ほど、狂気じみているわけでもない。しかしながら、他者には絶対まねの出来ない絵作りと、人々の運命を超客観的視点から冷徹に見つめる視線は、キューブリック作品以外の何者でもない、というぐらいキューブリックらしい作品になっている。

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