一部の方はご存知の通り、編集・ライター養成講座ってのに通ってるんだけど、今度の提出の課題が、詩をつくる、ってやつで。
ただ私は生まれてこの方、一篇の詩も書いたこともなかったから、これはこれでちょっと困ってるんだけど、まあとにかくやってみよう、ということで、Mixi内で自作の詩を公開している。正直、リアクションはうすい(笑) 褒められたこともない。
ま、不出来なのは自分でも重々承知なんだけど、でもやってみるとこれはこれで面白いのよ。続けてるとそのうち、自分の頭の中の雰囲気や気分が、単語ではなく一連の文章として、すらっと出てくる様になるような・・・そんな錯覚を覚える。
そんなこんなで、私の頭の中で、詩を作る、という行為がかなり意識されているときに、たまたまNHKの「佐野元春のザ・ソングライターズ」という番組で作詞家の松本隆がゲストだった時の放送を見た。
松本隆のプロデビューは「はっぴいえんど」というバンド。そこでの彼は、ドラマー兼作詞家という立ち位置だった。日本語ロックなんていうのは、今では当たり前すぎて、なんでわざわざ日本語ロック、っていうヘンテコな名前をつけるんだ、と思われるかもしれないが、彼らが活躍した70年代初頭は、ロックは本場の英語で歌われるべきだ、という主張が主流であった時期があるらしく、ロックのミュージックに日本語の歌詞を乗せて歌ってみせた彼らは、かなり衝撃的な存在であったらしい。今では、にわかに信じられない話だけど。
で、その松本隆であるが、はっぴいえんどのセカンドトアルバムである『風街ろまん』に「風をあつめて」という曲がある。この詩をちょっと参考にしてみよう、なんて思って改めて書き写してみる。
風をあつめて
詩:松本隆
曲:細野晴臣
街のはずれの
背のびした路次を 散歩してたら
汚点だらけの 靄ごしに
起きぬけの路面電車が
海を渡るのが 見えたんです
それで ぼくも
風をあつめて 風をあつめて
蒼空を翔けたいんです
蒼空を
とても素敵な
昧爽どきを 通り抜けてたら
伽藍とした 防波堤ごしに
緋色の帆を 掲げた都市が
碇泊してるのが 見えたんです
それで ぼくも
風をあつめて 風をあつめて
蒼空を翔けたいんです
蒼空を
人気のない
朝の珈琲屋で 暇をつぶしてたら
ひび割れた 玻璃ごしに
摩天楼の衣擦れが
舗道をひたすのを 見たんです
それで ぼくも
風をあつめて 風をあつめて
蒼空を翔けたいんです
蒼空を
20歳そこそこでこの詩を書いたんだから、やっぱり凄い才能だね。あえて漢字を多くしてるのは、上記に書いたロックは英語で歌われるべきだ、という人達に対する対抗意識の現れ、という点も少なからずあるだろう。
「汚点(しみ)だからけの靄(もや)ごしに」とか、「昧爽」(まいそうー明け方の暗い時間帯のこと)とか、「玻璃」(ガラス)とか、日本語の豊かさを引き出そうとしているのが分かる。
それにやっぱり発想が自由。例えば「起き抜けの路面電車」なんていうフレーズでもそう簡単には出てこないでしょ。この辺りの自由な比喩表現が出来るか否かが、ブレイクスルーのポイントかな。
詩には、豊富な語彙と豊かな感受性、そして自由な発想力が求められる。う〜ん、深いし、難しいねぇ。
この曲は二年くらい前にCMに使われてたよね。松本隆の詞はいいね。
あとね、言葉はあくまで手がかりだから、凝った表現を使わなくてもいいし(使ってもいいけど)、詩の良さってその自由さにあると思う。
もちろん歌詞と詩はちがうけど。
どんどん書いてね読んでます。
あ、mixiに気を取られてて、こっちに返信するのをわすれた。すんまんせん(-.-;)
詩を書くのは楽しいよ!
男だから、ってのもあるんだけど、つい理屈っぽくあーでもない、こーでもない、と書いちゃうけど、詩は、そんなもん、シャラーーーップ!と一喝してくれる潔い力強さがある。
とは言っても、理屈こねこね、も大好きだから、どっちもやって行きたいね!
どんどん書きます読んでください。