うちのアドレスV125G K6。2006年製。思えば長いこと乗っている。
が、まだまだ手放すつもりはない。長い間乗ってて、そこまで大きなトラブルもない。
フロントフォークのキャップがまず開かない・・・
さて、今回はフロントフォークオイルの交換。これが手間でねぇ。以前試しにバイク屋で工賃を聞いたら1万3000円ぐらいだとか。これを自分でメンテナンスしない人が聞くと「高っ!」って思うかもしれないが、自分で駆動系などメンテナンスし始めた私としては作業の手間を考えたら、それぐらいするわなぁ、と納得した。
ところで、アドレスV125Gは年式によって、フロントフォークのみ抜けたりだとか、ステアリングステムごと外さないとダメだったり、と細かい違いがあるのだが、K6はフロントフォークのみ抜くことが出来るタイプ。それを知った私は以前、タイヤハウス(?)の下からフロントフォークのみ外して、フロントフォークの解体を試みたのだが、まずもってフロントフォークのキャップが固すぎて外れない(-_-;) フロントフォークを単体にしてしまうと万力でもない限り、フロントフォークを固定出来ない。結局、この時はあきらめて何の作業もなされないまま再び車体に取り付けて、終わってしまった。(ま、電動工具があれば一発で開くのだが・・・)
ステアリングステムごと取り外してようやく作業が出来た。
という訳で今回は、面倒ではあるが定石通りステアリングステムごと外した。
写真を見るとステムベアリングがレースから外れてしまっている・・・これが別のトラブルを引き起こすのだが、それは今回はとりあえず置いておく。(後日、再度調整した。)
まあこんな感じで支えがあるので、この状態でフロントフォークを両足で挟み込みながら固定し、なんとかフロントフォークのキャップを開けることが出来た。
ちなみに両端に見えているフロントフォークの上の丸いキャップ、これをめくると六角形ではなく、四角の穴が開いている。一瞬、どうやって開けるんだ?と思うが、この穴はラチェットの差込角1/2インチ(12.7mm)がちょうど合う。私は3/8インチ(9.5mm)のラチェットしか持ってなかったので、1/2インチに変換する差込口を買ってそのままキャップに差し込んで開けた。こんなやつ。
フロントフォークのメンテナンスに必要なもの。
さてフロントフォーク解体にあたり別途用意したのはこんなもの。
サービスマニュアルに油面の高さの指定があるので油面調整ツールを購入したが、これは工夫すれば300円ぐらいのシリンジとホース部分をうまく加工したもので代用できる。
オイルはもちろんスズキ純正のものでも良かったのだが、何十円か安かったのでとりあえずヤマハのものにしてみた。
他にもフロントフォークの底面のボルトを開けなければならないのだが、このボルトは実は中のシリンダとは繋がっていて、ここを回しても中のシリンダと一緒にくるくる回るだけでボルトが最後まで外れない。そこでフロントフォークの中に特殊工具を突っ込んで、シリンダを固定しながらボルトを外さなくてはならない。
しかしここはT字レンチの先に12mmぐらいのソケットを差し込んだものをフロントフォークの中に突っ込むとちょうど固定できるので、敢えて特殊工具を買う必要はない。
その他、新品のダストシールなどメーカー指定の部品をいくつか購入。
必要な部品、品番などはいつもお世話になっている上記サイトで確認出来る。ただ・・・サービスマニュアルだけは買っておいたほうがいい。
作業における注意点。
サービスマニュアル通りにやれば特に困ることもなく出来るのだが、一点苦労したのが、オイルシールの引き抜き。このゴム部品が意外と硬くて、普通サイズのマイナスドライバーで、てこの原理で引き抜けるだろうと思ったのだが一向に外れる気配がない。たがねがあればベストだったがあいにく手持ちがなかったので、たまたまうちにあったパンタジャッキのジャッキハンドルの一部の部品が先端が平らになっていたので、それをゴム面に食い込ませて、てこの原理で力を入れたところ、何とか抜けた。
新品のオイルシールのはめ込みはオイルシールが固いのでこれを当てがね代わりにして上からソフトハンマーで叩き込んで収めた。
後は、底面のボルトにネジロックを塗布する様に指定されているが、確かにボルトが小さい割にはテンションが掛かりそうな箇所で万一外れでもしたら大変な箇所でもあるので、ここは間違いなくネジロックを塗っておきたい。
完成! さて肝心の乗り心地は?
ネットのどこかで読んだ記事で真偽のほどは分からないが、某有名2輪ショップに125ccスクーターのフロントサスペンションのオイル交換を頼んだところ、「スクーターでフロントフォークのオイル交換しても意味ないですよ。」と店員に断られた、と書いてあった。本当に意味がないのか、それとも作業が面倒だったのか・・・
そんな”意味のない”作業を実際に自分でやってみたのだが、効果は・・・はっきりあったと感じられた。
もともと、オイルにじみもないのにフロントフォークのオイル交換を使用と思ったきっかけは、リアのサスを硬い社外品に変えたせいもあるが、路面の荒れたコーナーであまりにスクーターが跳ねるようになり、これはフォークのオイル交換をやったほうが良いのではないか?と思ったから。
リアは今回触ってないのでそのままだが、路面の凹凸に最初に乗るフロントタイヤの感触が明らかに柔らかいものになり、多少の路面の荒れで以前ほど車体の挙動に気を遣わずに済むようになった。
おススメ作業スタイル。
正直、フロントフォークだけ抜ける型式であればフロントフォーク2本だけ取り外して作業した方が楽。ただし、固着している可能性のあるキャップを開けるのに、フロントフォーク本体をがっちり固定する万力、あるいはインパクトレンチなどの電動工具がないと解体自体が難しいと思う。
私は今回やむなく、ステアリングステム毎取り出した。ただ、死ぬほど面倒ということもなかった。違いと言えば、フロントカウルを開け、ホーンを一旦はずし、ハンドルバーを引き上げ、ハンドルを上部に動かすため、ブレーキホースの固定具を外したぐらい。ステアリングステムの上下についているステムベアリングはハンドリングを左右する重要なパーツであるため、ここも点検がてら、ステムごと外して作業をするのも悪くはないと思う。
作業時間はたぶん5〜6時間ぐらい使った。バイク屋ならたぶん1時半ほどの作業量だと思うが、調べて、取れない部品と格闘し・・・とやっていると素人だとこれぐらいかかってしまうと思う。作業時間としては1日半ぐらい時間を取った方がいいかもしれない。すでに経験がある人であれば半分の時間で済みそうだが・・・・
これでまたまた我がアドレスちゃんの延命が図られてしまった。部品がなくなる Or エンジンがダメになるまで走り倒そう。