昨日、「キンドルに青空を」というワークショップに行って来た。目的はまずキンドルの実物に触れ、更に現状では日本語が表示出来ないキンドルに何とか日本語表示をさせましょう、というもの。私はかなり冷やかし半分の参加者だったのだが、結果・・・見事洗脳されて、Amazon.comにて先程ポチッとな、してきた(-.-;)
キンドルとの出会い
ある日、いつもの様にアマゾンのサイトに行くと、いきなりデカデカとキンドルの広告が・・・。確か、「キンドルを日本の皆様にお届け出来ることを非常にうれしく思います。」みたいなCEOのありがたいメッセージ付だったような気がする。自分で仕掛けといて「非常にうれしく思います。」って、なんだか如何にもアメリカのCEOが言いそうな発言だなと、妙なところに感心しつつも、最初の感想は、え? アマゾンが電子ブック? あ、そう。元は本屋だしね、ぐらいの印象しかなかった。
キンドルって面白いのかも?
私は現在、宣伝会議の編集・ライター養成講座というのに通っているのだが、そこで講師でこられた米光 一成氏の、キンドルの液晶表示はとにかく目に優しいんだ、3G回線を使ってコンテンツを購入するのに、3G回線の料金は事実上アマゾンが持ってくれて、我々はコンテンツ購入料金以外に毎月の通信費の様なお金は払わなくていいんだ、というお話を聞いて、それって結構他にはないことだな、と思って、少しだけキンドルに対する興味が湧いた。
キンドル実物とキンドルの回りに集う人々との出会い
そして、軽い気持ちで今日のワークショップに臨んだのだったが、まず目についたのが受講生のiPhone所有率の高いこと。みんな怖いぐらいに流行にしっかり乗ってるなぁと。そして、受講生の方々の知識レベルの高いこと。数名の方と名刺交換させて頂いたが、会社の社長だったり・・・今のところ、何者でもないオレ、ピンチ!(笑)
さてキンドル本体。バックライトを使用しないE-Inkの液晶表示が想像以上に目に優しい。本で活字を読むのと変わらない、と書いても決して大げさではない。そして3G回線。驚いたことにブラウザ機能がついていて、モノクロではあるがこれさえあれば、どこでもネットサーフィン(死語)出来る。ネットサーフィンばかりされて、コンテンツが全く買われなかったたら、恐らくアマゾンは困るのではないかと思う。果たして、3G回線を自由に使えて、それでいて通信費を全く負担しなくてよいデバイスがキンドル以外にあるだろうか。
キンドルの外観であるが、質感はまあまあ。液晶の回りはマットな感じのホワイト。裏は削り出しのアルミニウムみたいな感じ。若干iPodを意識してるかな? 大きさはB5版ぐらいで、持った感じは決して重くなく、しかしながら軽すぎることもなくと絶妙。ガジェットとしての魅力もあるが、ただ本が読みたいだけの人にも訴求する、なにか普遍性を持ったデザインの様に感じた。
総括・・・の様なもの
キンドルはAmazon.comのアカウントを持っていれば、例えばスタートページでいきなり「ようこそボーノ様」みたいに挨拶してくれる。3G回線経由で本を買うのも全く難しいところがない。とにかく恐ろしくユーザーフレンドリーなのである。これはiPod touch・iPhoneの設計思想をより発展させたものの様に感じる。そして、ユーザーが支払うのはあくまでコンテンツ(本)の料金のみ、というのも分かりやすい。なんというか、人間の生理に合ってるような気がする。
こういうことを何故日本のメーカーは出来ないかといつも思う。音楽で言えば、CCCDだのなんだので自分たちの狭い範囲での権益を守ることに捕らわれている間に、Appleにまるごとシェアを奪われてしまった。電子ブックも同じ様な感じがする。業界の権益を守るため、ユーザーのニーズを軽んじた色々なセコイことをやっている間に、その市場をアマゾンにごっそり持っていかれてしまうのではないだろうか。今のところキンドル自体日本語には正式対応していないので大丈夫だろうが、キンドルが正式に日本語対応してきた時には結構怖い。結局のところ、顧客のニーズにピタッと寄り添う商品、サービスが勝つ。それを分かっていながらも、悪い意味での「和」を崩せないでいるのが日本の企業なのだろうか。業界の暗黙のルール、常識を破ってでも、顧客のニーズを満たす、という気概が感じられない。
Appleは技術的な進歩に伴って、どんどん押せるボタンを減らしていく。日本の企業の商品は逆に機能が増えればそのままボタンが一個増えてしまうのではなかろうか? 本来技術の進歩は、難しいことを、簡単、分かりやすい、に変える為に使われるべきだと思う。モノづくりへの拘り、愛情にかけては、日本人というのは相当優秀というか求めるレベルが他の国の人に比べて高いと思う。だから後は、すぐに堅くなる頭を常に柔らかくする。本当にこれだけだと思うんだよなぁ。
ま、キンドルのワークショップを通じて、上記の様なことを思った次第。