私は通学時に音楽を聴いていないと気が済まないタチなので、ほとんどの場合、iPhoneにヘッドフォンかイヤフォンを差して音楽を聴いている。元々音質に拘るほうではなく、昔からiPodやiPhoneに付属のイヤフォンをしていたが、ある日、イヤフォンの音漏れを注意されてしまった。いい大人がこういうことで注意されるのはまことに恥ずかしい話で、今でもその記憶は鮮明なのだが、だからといって、音量を落とす気にはなれなかった。そこで、カナル型イヤフォンなる音漏れの少ないタイプのイヤフォンに興味を持つようになり、結局、SHUREのE4cというイヤフォンを買った。まあ、これが運の尽き、というか・・・(笑)
ま、そんなことがきっかけで多少耳が肥えてしまった私であったが、一昨年ぐらい友人が「アップルストアでB&WのP5というヘッドフォンで試聴して見たが、気にいった。今度、アメリカに行く予定があるので、その時に買ってこようと思うが私もひとつどうか。」という誘いがあったので、私は全く試聴していないにも関わらず購入を依頼した。
私はオーディオマニアではないので、音の解像度が〜、とか、音のスピードが、エッジ感が〜、とかムツカシイことは分からないのだが、単純に思ったことがあった。それは「あ、これ、俺が使ってるSE530より音、よくないな。」ということ。まあ比べる相手が悪いけどね。SE530は当時のSHURE、カナル型イヤフォンの最上級モデルだったし、今でも評価は高い。具体的には、やっぱりSE530よりは音の解像度が粗い感じがしたし、すごく平たい言い方をすれば、全体的に音がペラい印象だった。
ただ・・・デザインはかっこよい。金属と合皮だけで構成されたシンプルでクラッシックなデザイン。そしてイヤーパッドには羊毛が使用され、耳当たりはかなり上質。それにアップル公認のリモコンがケーブルに付いてて、これが便利。そんな訳で、冬場はヘッドフォン兼耳当てとして、活躍することになった。
ところが・・・先日、ケーブルに接触不良が発生。片方の音が聞こえなくなった。このヘッドフォンはケーブルが着脱可能な珍しいタイプなので、交換用ケーブルの値段を調べたら、リモコン付きは4200円。むう。そして、調べていくと、アップグレードケーブルなるものがあることが分かった。それがPEC/P5。お値段、6300円。いやー、結構高いけどね。ただ、このケーブルにすると音が変わる、というので、わざわざ秋葉原まで買いに行った。
ちなみに私はケーブルで音が変わる、なんてことはこれっぽちも信じてなくて、スピーカーケーブルを変えるとかそういうことはナンセンスの極みだと思っていた。なので、我ながら、どうしてケーブル買ってしまうんだろうか?といぶかっていたのだが、なんか既存のアイテムに新風を吹き込みたい心境だったのかなぁ?(笑) とにかく、効用はあまり信じないまま、使ってみたら・・・一聴して、低音の鳴りが違う。え? プラシーボ効果だろうか? いやー、でも低音鳴ってるなー。改めて開発者のブログを読むも、分かったような分からん様な・・・。あ、ちなみにその開発者の方のサイトへのリンクはこちら。
オヤイデ電気のオーディオみじんこブログ: B&W専用ヘッドホンケーブルPEC/P5開発秘話
SE530みたいに音が明確に分かれて聞こえる訳ではないけど、若干ペラかった音に厚みが出て、元気なサウンドになった感じはする。まあ、この辺はあくまで感じ、で、低音の鳴りほど確信がある訳ではないけど。それにしても、そんなことがあるんだなぁ、と、ちょっとこれまでの認識を改めさせられた。
ちなみにB&WのP5はamazonで見ると2012/02/12現在で3万円弱。音だけで言えば、1万5000円から2万円ぐらいが適正かなぁ、と。後は、デザインとフィット感にどれだけ価値を見いだすか、だと思う。ただ、私はケーブルをPEC/P5に変えて以降、あくまで寒さ対策の耳当てを兼ねて、という存在から、SE530とは違うキャラクターのヘッドフォンとして、音を楽しめる存在にグレードアップしたかな、という感じはしてる。ただ、この両方を揃えるとやっぱり割高。それにしても、このヘッドフォンの購入者には、アップルストアで聴いて、素直な出音に感動して買った、という人が多いのだが、いったいどういうセッティングで音を出してるのかねぇ。