フラッシュに対する考察 【いかにして背景が暗くなるのを防ぐか】
f3.5, 1/30s, iso800
以前、cp+かなにかでコンパニオンさんを外付けフラッシュを使用して撮影したのですが、背景が暗いのなんので、なんだか寂しい感じの写真しか撮れませんでした。その時は現像で暗部を持ち上げなんとかしました。しかし、それに懲りてその次の機会にフラッシュなしで撮影に臨んだら、今度はisoが6400まで到達してしまう写真が多数あり、それほど写真を拡大しなくてもコンパニオンさんのお肌がノイズでザラザラに・・・。周りを見れば、コンパニオンさんを撮ってる人はほぼフラッシュ使用ですし、おそらく私の使い方が間違っているのだろう、ということで、今更ながらフラッシュについて少し勉強してみました。
ネットを検索してすぐ分かったのは、フラッシュが当たっている部分以外はカメラの露出通りの明るさ(暗さ)にしか写らない、という当たり前の事実(笑) どうしてそんな簡単なことに気付かなかったのか・・・。フラッシュでメインの被写体の明るさが大幅に上がる分、カメラは自動的に露出を絞る、そうするとメインの被写体の露出は適正になるが、それ以外の背景は大幅にアンダーになる、ということです。
それを防ぐにはどうしたら良いか? それにはやはり妥協出来る範囲でisoの感度を上げ、更には手ブレしないギリギリのシャッタースピードまで落とすことです。
そうなると、絞り、シャッタースピード(SS)、iso感度、全てマニュアルで調整することになるのですが、それではその場合、適正な露出はどこで判断するのか? そこがどうしても分からなかったので、K-3を自宅ベランダに持ち出して実験してみました。
まず、外付けフラッシュを着け、絞り優先で撮影。そうするとisoには「AUTO」と表示されます。絞りとSSを調整しても、isoが勝手にバラけて、isoで適正露出の調整をしてしまい、絞りとSSの組み合せをいくら変えようと、被写界深度(ピントが合っている奥行きの幅)に差は出ても、メインの被写体と背景の明るさに関しては似たような写真しか撮れません。
そこでダイヤルを「M(マニュアルモード)」にして絞り、SS、isoを全てマニュアルで調整。とは言ってもisoが上がらないに越したことはないので、絞りは開放に近い位置、SSも手ブレしないであろうギリギリの遅いスピード(よく「1/焦点距離」と言われます)に固定しました。今回使用したレンズが開放f3.2、焦点距離35mmのレンズだったので、絞りはf3.5、SSは1/30として、後はisoを手動で調整。「M」時に適正露出がどうやって分かるのか不安でしたが、ファインダー内に今どれだけアンダー/オーバーです、という表示が出て来ました。
上記の写真の条件でf3.5、1/30s、iso 200で撮影すると下記の通りの仕上がりでした。
f3.5, 1/30s, iso200
メインの室外機の露出が多少違うので、正確な比較にはなりませんが、上記写真にあった後ろの傘がより暗く写っています。(言い訳ですが、背景が暗すぎて思ったほど差が出ていません。薄暗い屋内とかであれば、もう少し差が出ると思います。)
ちなみに、f3.5、1/30s、iso 200で上記の撮影条件ですと、カメラが5EV(明るさ)ぐらいマイナスです、と警告してきたのですが、仕上がりは上記の写真の通りある程度適正露出です。結局露出が足りていない部分は外付けフラッシュが計算して光量を調節してくれるのです。フラッシュの光量の調節はTTL(through the lens)という、カメラのレンズを通して得た光量の情報をフラッシュが受け取って、それをフラッシュの光量に反映させるというやり方なんだそうですが、ストロボの光量をマニュアルで調節せずとも、なかなか適切な露出が得られます。
と言うわけで随分と長くなりましたが・・・要点としては、
・光の届かない背景のことを考慮し、画質的に妥協出来る範囲で、絞りを開放に近づけ、SSを手ブレしないギリギリに遅く、isoも感度を上げておく。
ということです。この時選択するモードはマニュアルになります。適正露出はTTLにしておけば、フラッシュが勝手に光量を調節して適正露出にしてくれるので、カメラ自体の露出はかなりアンダーでも問題ありません。(というかある程度アンダーでないと、逆光とかでなければフラッシュで光量を補助する意味があまりありません。)
逆に背景がうるさいので、被写体だけ目立たせて、背景はより暗くしたいということであれば、絞りを絞る、SSを速める、iso感度を下げる、等すれば、被写体だけが浮かび上がる写真が撮れるということです。
いやー、最後まで読んでくれた人はいるのでしょうか?(笑)
ここまで書いといてなんなんですが、私はフラッシュは滅多に使いません。でも、結婚式とか、暗い室内でフラッシュ撮影OKで、しかも人を綺麗に撮りたい、って時もたまにあるので、そのようなときにフラッシュ撮影の基本として本稿を思い出して頂ければと思います。最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。
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